Project Goals

本事業で開発するデータコラボレーション解析は、分散データの直接的な共有を行うことなく、中間表現によるデータ統合を行うことで、データの巨大性やデータ秘匿性の問題点の解決を目指します。また、組織ごとのデータ特性の違いも考慮し、中間表現間の適切な統合を行うことで、従来の単独組織のデータ解析では実現し得ない解析結果の取得を可能とします。解析手法は医療・健康分野のモデルデータを用いて開発を進めます。また、実データによる実証実験を行い、開発する解析手法の有効性を示します。

本事業では、医療・健康分野のデータを対象としていますが、開発するデータコラボレーション解析技術自体は汎用的なものであり、スマート工場/農場、インフラ点検等の複数分野にまたがるデータ解析の共通基盤となります。

本事業は米国と日本の国際協力のもとで推進し、日米間の国際的な協力体制の構築も併せて行います。

従来のデータ解析環境の2つのシナリオでは組織は、(a) 彼らの所持するデータを隔離して解析する または (b) データ融合を可能にするためにデータを第三者に、またはクラウドにおいて共有する。
データの共有は自然に多くの挑戦に結びつきます。
例えば、データのプライバシーに関する懸念、データ転送コスト、そしてデータの不均一性などが挙げられます。
したがって、多くの場合において組織はデータコラボレーションによる多くの利点を失いつつも独立にデータを解析することを好みます。

私たちの共同研究プロジェクトではビッグデータ解析の技術的発展を通じてSociety 5.0への遷移を可能にすることを目指します。
短期的な目標は、医療および健康に関するデータにおけるデータコラボレーションのための基本となる技術を開発すること、および病院や保健機関と共同で私達の手法の有用性を実証することです。

私達は短期的に、早期に達成すべき目標として以下の項目を設定しました。

  • 変化量を保存した次元削減に関する基礎的なアルゴリズムの開発
  • マルチモーダルデータの中間表現に適した特別な機械学習技術の開発
  • 分散された医療データにおける開発した技術の成果の実証
  • 開発した技術のプライバシー保証性の試験

長期的な目標は以下のとおりです。

  • 開発した技術とともに展開可能なツールキット、ソフトウェアの作成
  • 多様な応用先における開発した手法の試験