この研究室では、筑波大学暗号理論研究室(國廣研究室)と連携して、主にカードベース暗号を研究しています。カードベース暗号は、研究分野として近年急速に発展しています。最近では、有限群論や組合せ論などの数学分野との関連や、物理・視覚化による教育分野への応用、さらにはゲーム・パズルなどの娯楽分野との協奏など、研究テーマの種類も多岐にわたります。この研究室では、暗号・パズル・ゲーム・数学のいずれかに興味のある学生さんを募集しています。私たちとカードベース暗号の歴史に残るようなエキサイティングな研究をしてみませんか。
本研究室では、秘密計算の研究を中心に行っています。最近は秘匿同時通信という単純だけど面白い秘密計算モデルを研究しています。他にも、サイズ秘匿計算や金銭的公平な秘密計算にも取り組んでいます。理論研究が中心で、主な研究目的は、秘密計算の効率性の追求(通信量やラウンド数の上下界)や、実現可能/不可能な場合の分類などです。
カードベース暗号とは、カードを用いて暗号技術を実現する研究分野です。カードベース暗号では、特に秘密計算とゼロ知識証明の研究が活発に行われています。秘密計算に関しては、特にANDプロトコルの構成については、かなり詳細に解明されています。また最近、数独のゼロ知識証明プロトコルに大きなブレイクスルーがありました。
近年、カードベース暗号と数学の連携が深まっています。例えば、カードシャッフルに関する問題から、巡回分解という、有限群のある種の分解が自然に導かれ、どの有限群が巡回分解を持つのかという問いは数学的にも興味深いです。また、語の組合せ論やアソシエーションスキームなど、代数的組合せ論との関連も研究されています。
カードベース暗号とゲームの融合領域は、比較的最近誕生した未開拓な研究分野です。カードベース暗号の技術をゲームそのものに応用することにより、ゲームの新しい遊び方や可能性を模索していきます。例えば、カードベース暗号を用いて、ババ抜きのプレイヤーを仮想的に実現し、大人数のババ抜きを少人数でプレイできます。
筑波大学システム情報系 助教
May 28, 2025
九州大学マス・フォア・インダストリ研究所(IMI)の研究集会 産学連携と数理・暗号分野連携によるカードベース暗号の深化と新境地Ⅱ にて品川が講演を行います。講演タイトルは「1回または2回のシャッフルに関する未解決問題」です。
May 22, 2025
京都大学数理解析研究所(RIMS)の研究集会 組合せ論と情報科学の新展開 にて品川が講演を行います。講演タイトルは「Advances in Card-Based Zero-Knowledge Proofs for Sudoku」です。
May 4-8, 2025
スペインのマドリードで開催された Eurocrypt 2025 にて以下の論文を発表しました。講演者は産総研の江利口礼央さんです。本論文では、対称関数に対する秘匿同時通信の通信量の上界を改善しました。
May 01, 2025
この研究室のホームページを開設しました。
April 01, 2025
品川和雅が筑波大学システム情報系に着任しました。