授業科目: 画像情報処理I (2単位)
Image Processing I
対象:3・4学年
第2学期 曜・時:木5・6 担当教官: 工藤博幸

週別授業計画

教材:

 授業時間中配布のプリントを中心とするが,各題材に関する参考書を授業時間中に紹介する.

概要:

 画像メディアの生成,加工,認識,伝送などを目的として計算機で画像を処理する技術を画像処理と呼ぶ.本講義では,画像処理の基礎と幾つかの応用的なトピックスについて演習を交えて解説する.

学習・教育目標:

  1. 画像処理に必要な基礎事項を理解する(第1週).
  2. 劣化画像の画質改善や画像の認識・理解のための画像解析の手法を理解する(第2〜6週).
  3. 動画像処理,コンピュータビジョン,医用イメージングなどの応用的なトピックスを理解する(第7〜8週).
  4. 簡単な画像処理のプログラムを自分で作成する(第9〜10週).

授業計画:

講義内容/理解すべき項目
第1週 画像処理の概要と基礎事項
画像処理の概要,画像処理の周辺分野,画像のディジタル化,画像の直交変換,カラー画像とマルチスペクトル画像
(画像処理に必要な基礎事項について解説する)
第2〜3週 画像の画質改善処理
濃度変換と強調,平滑化と雑音除去,画像の復元,幾何学的変換
(劣化画像の画質改善のための画像処理手法について解説する)
第4〜6週 画像認識・理解のための画像解析
画像認識の概要,画像の領域分割とエッジ抽出,形状 ・色・テクスチャーの特徴抽出,2値画像処理の基礎
(画像認識・理解のための画像解析の手法について解説する)
第7週 動画像処理とコンピュータビジョン
動画像処理とコンピュータビジョンの概要,オプティカルフローの抽出,ステレオ視による3次元形状復元
(応用的なトピックスとして動画像処理やコンピュータビジョンについて解説する)
第8週 コンピュータトモグラフィー(CT)と医用画像診断装置
CTの目的と意義,CTの原理と画像再構成の定式化,フーリエ変換を用いた画像再構成,医用画像診断装置
(応用的なトピックスとしてCTとそれに関連した医用画像診断装置について解説する)
第9〜10週 演習(画像の空間フィルタリング,自由課題)
平滑化フィルタ・中央値フィルタ・エッジ検出フィルタのプログラム作成と実験,各自で自由に課題を設定し画像処理のプログラム作成
(画像の空間フィルタリングによる雑音除去やエッジ検出のプログラムを作成する,各自で自由に画像処理の課題を設定しプログラムを作成する)

参考書等:

 「画像処理工学」(末松良一,山田宏尚著,コロナ社)
 「コンピュータ画像処理」(田村秀行著,オーム社)
 「画像処理工学基礎編」(谷口慶治著,共立出版)
 「画像工学」(南敏,中村納著,コロナ社)

予備知識・前提条件:

 信号処理概論を受講していることが望ましいが,受講していない学生にも理解できるように配慮する.

オフィスアワー:

 特に指定しないが質問があればいつでも総B棟902(または総B棟901)で受けつける.

成績評価:

 期末試験点数(70%)にレポート等による平常点(30%)を加味して成績評価を行う.

教官メールアドレス:

 kudo@cs.tsukuba.ac.jp