「離散構造」1・2クラス用のページ
補足事項
- 論理記号としての「同値」と、2つの論理式が「同値である」ことについて。
- 論理記号としての同値の記号とは、「A ⇔ B」という式で使われる
記号「⇔」の事である。
- 一方で、「論理式A と論理式Bが同値」
という言い方がある。これは何だろうか? (英語では、A if and only if B とい
う言いかたをする。)
この言葉を、1回目の授業で定義しないで使ってしまっていたので、ここで補足しておく。
(テキストの 3ページ, 1.3 節では、「命題Aと命題B が同値である」ということの説明をしている。)
- 命題論理の2つの論理式が同値であるとは、
Aの真理値と、Bの真理値が、どのような真理値割り当てのもとでも一致することである。
つまり、真理値表における「真理値の取るパターン」が完全に一致することである。
もっと言えば、「論理式A の列」と「論理式Bの列」が完全に同じ真理値たち
のパターンを持つことである。
- 両者の関係: 「論理式 A ⇔ B が恒真であること」と、
「論理式A と 論理式B が同値」であること」は一致する。
つまり、論理式同士の間の関係としての「同値」という言葉と、
論理記号として論理式の中に取り込まれた「⇔」という記号とは、
意味的には同じものをあらわしている。
亀山幸義